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初心者必見 水耕栽培に使える肥料の選び方と使用方法

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はじめに…

水耕栽培は土を使わずに植物を育てる方法で、家庭菜園や商業農業において注目されています。特に肥料の選び方と使用方法は、植物の健康と収穫量に直結するため非常に重要です。この記事では、どの肥料が水耕栽培に適しているか詳しく解説します。

よく水耕栽培をしてみたいのですが、液体肥料なら何でもいいですかという質問を聞きます。自宅の家庭菜園で使っていた液体肥料を使ってみても失敗してしまったという方もいるのではないでしょうか?

適切な肥料の選び方と使用方法を理解することで、水耕栽培の成功率を高めることができるようになりますよ。

植物が必要としている栄養素

植物が生長していくためには17種類の栄養素が必要と言われています。その内の炭素(C)・酸素(O)・水素(H)は空気中や水から吸収することができます。その他に必要な栄養素は窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)・カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)・硫黄(S)・鉄(Fe)・マンガン(Mn)・ホウ素(B)・亜鉛(Zn)・モリブデン(Mo)・銅(Cu)・塩素(Cl)・ニッケル(Ni)があります。これらは植物に必要な量に満たない場合は追加していく必要があります。

土栽培と水耕栽培の肥料の違い

土栽培で使用している肥料が水耕栽培にも使えるとは限りません。

土を使って植物を栽培すると元肥(もとひ)と呼ばれる肥料をあらかじめ土に混ぜ込み、植物、土の状態、生長段階などに応じて追肥(ついひ)をしていくのが基本となります。

水耕栽培の場合は土中に入っている栄養素はあてにできないので、加える肥料に必要な栄養素がすべて入っている必要があります。そのため水耕栽培には土栽培を想定した肥料以上にさまざまな栄養素が入っているものを選ぶことが必要になってきます。

水耕栽培に適した肥料の特徴

水耕栽培にはよく液体肥料が使われます。

液体肥料は溶け残る心配がなく水と混ざり成分が均一になりやすいため、植物全体に均等に肥料成分が行き渡りやすくなります。

水耕栽培で使える肥料の選び方

肥料には食品の原材料のように保証成分量を記載している欄がありますが、残念ながらどのメーカーもすべては記載しないため、一目では水耕栽培で使える肥料なのか見分けることは難しいです。

使用方法やショップページにて水耕栽培で使えると記載されているものや、下記の肥料を使うのがベターとなります。

ハイポニカ液体肥料は水耕栽培に特化した液体肥料です。もともと農業用として開発され、現在もプロの農家さんが使用している肥料を家庭でも使いやすいように開発した商品となります。

水耕栽培を想定しているので、前述したような植物に必要な栄養素をバランス良く配合し、土栽培用肥料にはあまり含まれない成分も配合されています。

成分の関係で2液性肥料となっており水に希釈して混ぜるため若干手間はかかりますが、大変コスパに優れた商品になっています。

肥料の使い方と注意点

水耕栽培において、肥料の希釈方法は非常に重要です。まずは、肥料のパッケージに記載されている指示に従うことが基本です。一般的な肥料は水で希釈して使用しますが、この際の適切な濃度を守ることが植物の成長に大きく影響します。

例えば、ハイポニカ液体肥料の場合、水で500倍に希釈した液肥水を作る必要があります。希釈濃度が低すぎると、必要な栄養素が不足し、植物が健康に育ちません。この希釈倍率はある程度季節により肥料濃度が濃くなっても問題なく育つように設定しているので、同じ希釈倍率で与え続けても問題ありませんが、少し植物の調子が悪いなどがありましたら、液肥水を入れ替えると良くなる場合もあります。

【ECメーターを使って調整する場合】
商品にもよりますが、ハイポニカ液体肥料の場合はECが2.4 mS/cmを維持して栽培すると一番植物に適した濃度となります。ECメーターをお持ちの方はぜひ挑戦してみてください。

与えるタイミングと頻度

肥料を与えるタイミングや頻度は水耕栽培の方法や作物によって変わってきます。

種まきは水のみで行い、白い根がチラリと出た発芽のタイミングから水位が下がった分だけ希釈した液肥水を足して徐々に濃度を濃くしていくことをおすすめします。

【タッパーなど小規模、エアーポンプなしの栽培の場合】
養液が腐ってしまう場合があるので、植物が吸いきっていなくても1~2週間に1回は全量を入れ替えることをおすすめします。また、一回に作る液肥水が少ないと肥料濃度の誤差が大きくなってしまいます。おすすめは2Lペットボトルなどでいっきに作り、日の当たらない温度変化が少ない場所で保管し、1週間を目途に使い切ってもらうことです。

【5L以上の容量、エアーポンプありの栽培の場合】
基本的には水位が下がった分だけ液肥水を足していきます。栽培初期は作物が小さいため1週間に1回程度の補水で間に合いますが、栽培後期になるととても大きくなり、植物が吸う量も増えるので1日に1~2回程度の補水が必要になってきます。できることなら1~2ヶ月に1回や植物の調子が少し悪いかな?という時に全量入れ替えると、より病気や生理障害のリスクを減らすことができます。

保管方法と注意事項

肥料には消費期限がなく、適切に保管している場合はほとんど肥料成分も変化しません。しかし、保管環境によっては成分が変化し、結晶化したり植物が吸収しにくくなったりする場合があるのでなるべく下記のことに注意して保管しましょう。

・直射日光を避ける
・温度変化の少ない暗い場所に置く
・蓋をしっかり閉める
・子どもやペットが手の届かない場所に置く

これらの保管方法を守ることで、肥料の品質を維持しましょう。

こんな時どうする?Q&A

水耕栽培用の肥料を土で育てている植物に与えてもいいの?

ハイポニカ液体肥料の場合は特に、一般的な土栽培用肥料に配合されている窒素・リン酸・カリウムに加えて二次要素、微量要素もすべて含まれているので、肥料+活力液のような役割をしてくれます。追肥としてお使いいただくと、収量UPや植物の疲労回復などにとても効果を発揮しますよ。

栽培しているスポンジが緑色になってしまいます。どうしたら良いでしょうか?

液肥水がある場所に光が当たると藻が発生してしまいます。スポンジ部分に光を当てないようにアルミホイルなどで周りを覆う等で防ぐことをおすすめします。水位が高い可能性もありますので、スポンジより下から根っこが出ている場合はスポンジの下か下から1/3ほどまでになるようにすると悪化しにくくなります。また、多少スポンジが緑色であっても栽培には影響はほとんどありません。

なぜハイポニカ液体肥料の原液がAB二つに分かれているのですか?

ハイポニカ液体肥料は水耕栽培で使用することも想定しているため、多量要素(窒素・リン・カリウム)のほかに、土栽培で植物の様子を見て追加する二次要素、微量要素と呼ばれる栄養素もしっかり配合しています。

その中で主にリン・カルシウム・マグネシウムが含まれており、混ざると結晶化してしまい植物に栄養を届けることができなくなるため2本に分けています。

最後に…

水耕栽培は家庭菜園から商業農業まで幅広く利用されていますが、成功には適切な肥料の選定が大切になってきます。特に初心者にとっては、どの肥料を選べばよいか、どのように使用すればよいかが悩みの種となります。

肥料の選び方や使用方法をしっかりと学ぶことで、初めての水耕栽培でも失敗しにくくなります。ぜひ、この記事を参考に肥料を選んで水耕栽培にチャレンジしてみてください。